Ici et ailleurs カメルーン滞在記🇨🇲

2018年6月から2年間、青年海外協力隊のコミュニティ開発隊員として、母子保健分野でのボランティア活動に従事します。

活動開始

配属先

配属先はリトラル州サナガ マリティム県エデア市にあるエデア郡保健事務所。

 

カメルーンには10の州があり、各州に保健省の代表機関が設置されています。 

リトラル州には24の地区に保健事務所が設置されていて、その中の一つがこのエデア郡保健事務所。

 

エデア郡保健事務所の管轄地区には大小合わせて約60の医療機関があり、総人口は約13万人。

 

保健事務所の活動内容は、保健対策の実施を中心に、毎月一度に各医療機関の代表を集めて会議を行ったり、各医療機関のレポートからデータ収集を行ったり。また、医療機関の監督も行っています。

 

主な保健対策は、流行病の発生及び拡大の阻止や母子健康の向上など。

特に母子保健分野での活動に重点が置かれていて、新生児・乳幼児のワクチン接種率の向上やHIVの母子感染予防、マラリア対策に注力しています。

 

エデア地区保健事務所では9人のスタッフがいます。所長は医師でもあり、仕事も人柄も尊敬できる人。また、他のスタッフもみんな仕事熱心で親しみやすく、頼れる同僚たちです。

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活動開始

活動は月曜日から金曜日までで、勤務時間は7:30〜15:30。

 

大まかに協力隊の活動を農村型と都市型に分けると、僕は後者に属していて、毎日事務所に通い、整った環境の中で、ある程度定まった目的に向けて活動を行っています。

 

配属後はまず、自分が誰で何のために来たのかを事務所のみんなに理解してもらえるように努めました。

同じ自己紹介を何度か行い、みんな熱心に話を聞いてくれた結果、誰かに会うたびに彼は独身だと紹介してくれます。笑

 

カメルーンの保健分野のミッションの一つは母子の死亡率の低下で、その達成に向けて、僕は母子健康の改善を目指したボランティア活動を行っていきます。

具体的には、母子健康手帳の普及を中心に、栄養改善や健康向上の啓発活動、フィールド調査などに取り組む予定です。

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母子手帳の普及は、最初に医療従事者向けの研修を実施し、その後各医療機関から住民に母子手帳を配布していく計画。

 

この研修の実施時期は、10月初めの大統領選挙を考慮し、11月以降に実施予定。

 

なのでそれまでの期間は、啓発活動や調査を中心に活動する予定で、先週から新生児・乳幼児のワクチン予防接種の日に近隣の病院訪問を開始しました。

お母さんたちと交流できる機会を活用して、現地の生活や習慣などを知り、課題を見つけていくことがまず活動の第一歩となります。

 

カメルーンの保健環境

カメルーンの保健指標の数値は低くて、平均寿命は58歳、母子の死亡率も高い。

 

しかし、対策が何も行われていないわけではありません。例えば、生後11か月までの乳児へのワクチン無料接種や、妊婦への蚊帳の無料配布、5歳児以下のマラリア無料治療などが行われています。

 

また、現場で働いている人たちも熱心に働いています。WHOやUNICEFなどの国際機関をはじめ、地元の団体などとも協力しながら保健状況の改善に努めています。

  

それでもやはり、政策に十分な成果は出ておらず、この状況を改善するのは簡単ではありません。

 

熱帯地帯特有の病気があり、社会経済の点から、医療サービスの脆弱さや医療に対する知識の不足、文化や貧困もその原因となっています。

 

特に、人々の暮らしをみると貧困が大きな要素となっているように感じます。

 

これから

遠く離れた国からほぼ何も知らないままカメルーンにやってきました。風土、文化、慣習など、日本と違うことばかり。医療の専門家でもありません。

 

それでも外部の人間だからこそ、地域の人々と共に暮らし、共に働くボランティアであるからこそできることがあると信じています。

Marginalité(周縁的)な存在として、アフリカの神話に数多く登場するトリックスター(いたずら者)の精神で、何事も恐れずチャレンジしていきたいです!

 

まずはこの気候風土の中でどのような病気があるのかを知り、人々の暮らしを深く知ることから。

 

この状況を一人ですべて変えることはできなくても、自分のやるべきことを信じて地道に活動し、少しでも多くのカメルーンの人たちの健康改善に貢献できるよう励んでいきます!