Ici et ailleurs カメルーン滞在記🇨🇲

2018年6月から2年間、青年海外協力隊のコミュニティ開発隊員として、母子保健分野でのボランティア活動に従事します。

協力隊を終えて

日本に帰国してから、あっという間に4か月が経とうとしています。

 

ボロボロの車にデコボコの道路、電気も水も十分に供給されず、エアコンもなく手洗いで洗濯をしていた日々が嘘のようです。

けれど、カメルーンでの日々があったからこそ、少しは足るを知る人間に成長できたと思います。

 

カメルーンで過ごした約1年9か月は、僕の人生において忘れられないかけがえのない経験になりました。

 

現地の人たちと同じように、市場で買い物をし、現地の料理を食べ、ビールを飲んでダンスをしたり、サッカーをしたり。窮屈なバスに乗って移動し、違う町の文化に触れたり。いつも面倒を見てくれる人がいたり、冷やかしてくる人がいたり。

 

良いことだけじゃなく、悪いことも、うれしいことも、頭にくることも、楽しいことも、反省し後悔することもいろんなことがありました。

 

これらを全て含めた、カメルーンの人々の姿、風景、風、音、匂い、食べ物の味、喜怒哀楽の感情が、忘れられないものとして脳裏に刻まれています。

 

協力隊に参加することができて本当によかった。

 

 

ボランティアとして活動するのは簡単ではありません。

 

僕たちは現地の人の役に立ちたいという思いでも、現地の人から見れば外国からきて言葉もよく喋れず何ができるかよくわからない人。支援にきたっていうからお金をくれって頼んでみても、持ってないしくれない。笑

 

このギャップを埋めるために、2年間かけて現地の人たちが必要としていること、現地の人の役に立てることを自分で考えて、活動していきます。

 

自分がやりたいことでも現地の人に役立たなければ意味がありません。

現地の人たちのために、こうしたら役立つんじゃないかと試行錯誤し、自分にこんなことができたんだ、こんなこともできないんだ、と一喜一憂しながら取り組んでいく。

 

簡単ではないけれど、2年間誰かのために活動した経験はかけがえのない財産で、また新しい自分の発見も今後の可能性を拡げる貴重な経験となりました。

 

フランスで語学留学をしていたときに、友人がアフリカ系の学生を僕に紹介し、彼が「僕は日本が建てた学校で育ったんだ」と言いました。会話はそれっきりで終わり、彼はすぐに立ち去りましたが、そのときのことを今でもはっきりと覚えています。

 

自分の活動もこんな風に、現地の子供たちが大人になったときに、「日本人が手洗いの啓発活動をやってくれた」とか、「母子手帳の記録は今でもとってあるわ」とか覚えてもらえていたらどんなにうれしいだろうか。

 

 

こうして協力隊の経験を振り返ると、自分が与えたものはわずかで、もらったもののほうがはるかにたくさんあります。返したくても返し切れないほど。

 

以前に、井上ひさしさんの本で「恩送り」ということばを見つけました。恩返しは誰かからもらった恩をもらった相手に返すことですが、恩送りは誰かからもらった恩を別の誰かに返すこと。

 

協力隊の目的の一つに、ボランティア経験の社会還元というものがあります。自分なりのやり方でこの経験を身近な人に伝えたり、教育の現場で伝えていくこと(協力隊経験者は学校での出張授業などに参加できる機会があります)で恩送りをし、若い人たちに世界で起きている出来事、自分の知らない文化や暮らしを知る喜びや楽しさを伝えていきたいです。

 

最後に、これまでの活動を応援してくれた人たちに感謝を申し上げます。

 

今まで応援してくれた家族や友人をはじめ、お世話になった人たちのおかげで無事に活動を終えることができました。

 

このブログを通して、協力隊やカメルーンについて知ったり興味を持ったりするのに少しでも役立てたり、事情があって協力隊に参加できない人の励みになれたらうれしいです。

 

このブログじゃよくわからないから自分で参加したくなっちゃった人や、友人や知り合いで協力隊に興味がある人がいたら相談にのったりアドバイスなどできますので気軽に連絡ください。今はコロナ禍で難しいですが、20歳から69歳まで参加可能ですので、思い立ったが吉日でぜひどうぞ!

 

これにて、このブログはおしまいです。

2年間お付き合いいただきどうもありがとうございました!

 

f:id:yusukenochi:20200726085835j:plain