Ici et ailleurs カメルーン滞在記🇨🇲

2018年6月から2年間、青年海外協力隊のコミュニティ開発隊員として、母子保健分野でのボランティア活動に従事します。

活動まとめ(15か月経過)

今まではカメルーンに来てからの時間を数えていましたが、いつの間にか帰国までの時間を数えるようになりました。

 

この3か月は、母子健康手帳で進展があり、啓発活動の方向性も定まって、新たな取り組みはありませんが、活動の内容を改善することができました。

 

早速、活動を振り返っていきます。

 

母子健康手帳

ついに母子手帳が首都から供給されました!

 

7月に配属先の母子手帳の在庫を全て配布し終え、首都で在庫を管理している機関に追加在庫の供給を依頼。

 

首都からの供給が滞ることがこの母子手帳の普及活動の大きな問題で、前回の追加在庫の依頼時は首都からの配達の見通しが立たなかったため、僕自身が首都まで行って在庫を運んできたという経緯があります。

 

僕が在庫を運ぶことはできますが、現地の人たちだけで配布から補充までの一連のサイクルを行ってほしいというのが僕の意図。

その理由は、僕の任期が終わっても(後任のボランティアが来るかもしれませんが)現地の人たちの力で母子手帳の普及を継続してほしいから。

加えて、配属先やエデアの医療機関の人々が母子手帳の普及に努めてくれているので、中央機関にもその活動に応える姿勢を示してほしいという気持ちもありました。

 

そして今回、首都の在庫を管理している機関を訪問して供給を依頼し、僕じゃなくてこの機関が供給することが大切だということも伝えました。

 

カメルーンでの行政手続きは遅々として進まないことが多いのですが、それは仕事が雑であることよりもむしろ、物事の決定が一部の責任者に限られるトップダウン型であったり、何かと正式な形式での書面を求める文書主義であったり、管理の厳格さが大きな理由のように思います。

  

お願いはしたけれどちゃんと供給されるかは分からない中、訪問から2週間程過ぎた8月初旬に、首都の責任者から電話がかかってきました。「今日母子手帳を郵便で送ったよ」、「えっ、本当に!?めるしー!」。

次の日、半信半疑のまま配属先の同僚と一緒に郵便局に行くと、なんと、、母子手帳が届いていました!!

 

この日、ついに母子健康手帳普及の一連のサイクルが完成。

医療機関でお母さんたちが母子手帳を購入し、その売り上げを回収して保健省の口座に振り込み、振り込んだ金額分の母子手帳の供給を首都の機関に依頼して、それが配属先に配達されるという一連の流れ。

 

全てのプロセスが上手くいくか分からない中で、この活動に携わるカメルーン人の一人一人の真摯な取り組みによって順調に普及が進み、こうして結果が出たことを本当に嬉しく、彼らと活動ができることを誇りに思います。

 

今後、より早く供給できる体制を築くために、各医療機関の協力を得て、医療機関への母子手帳の受け渡し方法を後払いから前払いに変更。

 

引き続き、母子健康手帳の理解促進と普及に取り組み、母子の健康改善に努めます!

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啓発活動

今までは病気予防や栄養改善など個々のテーマで取り組んできましたが、今月からは、なぜ新生児・乳幼児の健康が大切かということに焦点を絞り、「最初の1000日」という一つのテーマを軸にして啓発活動を開始しました。

 

WHOやUNICEFは母子の健康改善のためにこのコンセプトを推進していて、今年フランスでも最初の1000日のための委員会を設立したというニュースがありました。

  

この最初の1000日とは、妊娠から子どもの2歳までの期間で、育児の最も大事な期間の一つを指します。

 

子どもが2歳になるまでは、身体機能の基礎が形成される時期で、当然誰かのサポートなしに生きることはできない時期でもあり、この期間の子どもの成長や発達は大人になっても影響すると言われています。

 

このテーマを軸にしながら、健康的な発達や成長のための、十分な栄養摂取、病気予防、遊び、心のケアの大切さについて啓発活動を実施。

 

さらに、最初の1000日は母子手帳のコンセプトともつながりがあるため、母子手帳の理解促進と関連づけた活動も目指します。

 

家庭訪問

この3か月は事務所にいることが多く、そんなに頻繁に実施はできませんでしたが、それでも家庭訪問は継続。

 

現在は家庭訪問を通じて発見した課題の解決に向けた取り組みを検討中で、次の3か月で何か実施をしたいと考えています。

  

その他

同期の教育系隊員の夏季休暇中の活動を見学。

 

工作活動のセッションで、トイレットペーパーや紙など身近にある日用品を利用して制作を実施。

 

子どもたちが考えながら取り組めるよう工夫し、そのおかげで子どもたちが熱心に楽しく取り組んでいる姿を見ることができました。

 

自分とは異なる分野の隊員の活動は勉強になり、また普段は見れない隊員の活動に取り組む姿はかっこよく、自分の活動の刺激になるとても良い経験でした。 

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次の3か月が過ぎれば活動も残り半年となり、帰国の準備なども始まります。

 

なので、この年内の3か月が活動だけに集中出来る貴重な時間になると思います。

 

帰国まで残り9か月!悔いのないよう精一杯楽しく活動に取り組みます!