Ici et ailleurs カメルーン滞在記🇨🇲

2018年6月から2年間、青年海外協力隊のコミュニティ開発隊員として、母子保健分野でのボランティア活動に従事します。

カメルーンのことば

カメルーン公用語はフランス語と英語。それに加えて、それぞれの民族語があります。

 

北西州と南西州を除く8州がフランス語圏で、240以上の民族が暮らしていることから、日常では共通のことばとしてフランス語を使用する割合は高い。

 

15歳以上の識字率は71%(UNDP,2016)で、アフリカでは高いほう。

 

旧宗主国のことばであっても、ことばにはその国の人々の暮らしや文化や歴史が反映されていく。

 

カメルーンでもことばが育ち、独自の表現が生まれているので、今回はカメルーンのことばについて紹介します。

 

On est ensemble(オン ネ アンサンブル)

カメルーンで暮らしていると、このことばをよく耳にします。

誰かに会い、挨拶をして軽く会話をしてからの別れ際、On est ensemble と言って別れる。

 

Ensemble が「いっしょ」という意味なので、日本語で言えば「私たちはいっしょだよ」という感じのことば。

 

同じように英語圏の人たちは、We are together と言います。

 

このことばを聞くといつも清々しい気持ちになり、いいことばだと実感。

 

特に外国人である僕たちに言ってもらえると、現地の人たちに受け入れてもらっていることが感じられてとてもうれしい。

 

ここカメルーンでは、冒頭にも書いたとおり、多くの民族が共生しています。

加えて、フランス語圏と英語圏の言語の違いがあり、人々の信仰している宗教もキリスト教イスラム教、伝統宗教などさまざま。

 

このように多種多様でありながら、人々は民族や宗教などの文化の違いに関係なく仲良く暮らしています。

 

カメルーンの人々が共生している姿を表す素敵なことば。

 

 

その一方で、現在カメルーン英語圏問題を抱えています。

 

長い間続いた英語圏への政策の不遇が表面化し、現在は政府軍と分離独立派の暴力の応酬によって問題は混迷。

 

エデアにも英語圏を逃れてきた人々が数多くいます。

 

この問題が今後どう展開するのかは分かりませんが、こうしたときに問題をフランス語圏と英語圏の対立というように単純に図式化して、原因を人々の文化の違いに帰するのは危うい考えで、問題の本質は別の部分にあって、文化の違いは関係ないんだということを常に考えとして持っておかなければいけないと思います(この問題に限らず)。

 

言語や民族、宗教などの文化の違いがあっても人々はお互いに理解し尊重し合い、仲良く暮らしていける。

 

英語圏の平和と安定が回復することを切に願います。

 

Assia(アシィア)

これはフランス語にない単語で、土着のことばがカメルーン全体に普及したのだと思います。

 

病気や怪我をした人、何か辛いことや悲しいことがあった人に対して、カメルーン人は、Assia と言います。

病院で注射をされて泣いている子供をAssia と言いながらあやすお母さんもよく見ます。

 

このことばは、励ましの気持ちを込めて「我慢だよ」という意味で使われています。

 

「ごめんね」という意味もあって、たまにAssia と謝られることもありますが、「我慢してね」と諭されているようで我に返り、怒っていた自分が恥ずかしくなることもあります。

 

あきらめて我慢することを受け入れなければならないときに、励ましの気持ちを込めて伝える、Assia はそんなことば。ちょっと美化しすぎかな。笑

 

他にもいろいろカメルーンのことばがありますが、この二つのことばが、人々の暮らしから生まれ、カメルーンの人々を表現しているようで、僕は好きです!