Ici et ailleurs カメルーン滞在記🇨🇲

2018年6月から2年間、青年海外協力隊のコミュニティ開発隊員として、母子保健分野でのボランティア活動に従事します。

活動まとめ (3か月経過)

今日カメルーンは7年に一度の大統領選挙の投票日。在位期間36年、85歳のポール・ビヤ大統領が出馬していて、ほぼ彼の当選で間違いなし。

 

ここ2週間の選挙キャンペーン期間中は、ポール・ビヤ大統領のポスターやステッカー、さらに腕時計やTシャツ、アフリカ布を使ったドレスをまとった人たちまでが町中に溢れてました。

 

他に8人の立候補者がいますが、ポール・ビヤ大統領と比べて、町中を見る限りでは目立った選挙活動は展開されていません。

  

安全対策上の措置で、今日は自宅待機。

 

自宅周辺は今のところ人通りが少なく、大きな騒ぎや混乱もなく、いつも通りの静かな日曜日です。

 

活動報告

カメルーンに来て3か月、そして任地に配属されてから2か月が経過しました。気付いたらあっという間に3か月が経っていました。

 

ここ約1か月間は新生児・乳幼児のワクチン予防接種の日に、事務所近くにある2か所の医療機関を訪問して、お母さんたちに対して啓発活動を実施。

  

医療機関のスタッフと協働して、ワクチンの目的やワクチン接種計画についての説明、マラリア対策、栄養改善、公衆衛生などについての啓発活動を行なっています。

 

こうした活動はIEC (Information, Education, Communication)と呼ばれています。

 

教材は保健省から配布されているものや、自分で作成したものを使用。

 

教材を作った目的は、啓発活動を行うだけでなく、人びとの暮らしについても調査をしたいと考えたため。

 

食べ物を栄養素ごとにグループ分けした資料を使って、「昨晩、何を食べましたか?」と質問。

 すると、全然知らない食べ物の名前が返ってきたりします。

料理に使う植物の種類が多かったり、地域で呼び方が変わったりして面白い。

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フランス語で伝えたいことを説明するのはなかなか難しいですが、Merci とお礼を言われると、少しは伝わったのかなと感じて一安心。

 

どのテーマで話せばいいのか、どのような教材を使えばいいのか、どうしたら分かりやすく興味を持ってもらえるか。人々の健康改善に役立つためには、まだまだ工夫や改善が必要。

 

調査に関しては、ワクチン接種がない日は事務所でカメルーンの保健政策などを色々調べていましたが、それよりも現地の人たちと接する時間が大切だと感じました。

 

これからはもっと町中を歩いて、病院に来られない人たちや、子供を対象にした活動などもしたいと考えています。

 

先週は首都ヤウンデに行き、3か月の活動報告を行ってきました。他の分野で活動している同期の話を聞くのは学ぶことも多く、いい刺激になりました。

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活動は始まったばかりで、やることはたくさんありますが、とにかくこの3か月を怪我や病気もなく健康に過ごせてよかったです。

 

生活は毎日充実して楽しい日々を送っています。

 

カメルーン着任後3か月間の移動自粛期間が終わったので、これからはカメルーン旅行も楽しんでいきたいです。

活動開始

配属先

配属先はリトラル州サナガ マリティム県エデア市にあるエデア郡保健事務所。

 

カメルーンには10の州があり、各州に保健省の代表機関が設置されています。 

リトラル州には24の地区に保健事務所が設置されていて、その中の一つがこのエデア郡保健事務所。

 

エデア郡保健事務所の管轄地区には大小合わせて約60の医療機関があり、総人口は約13万人。

 

保健事務所の活動内容は、保健対策の実施を中心に、毎月一度に各医療機関の代表を集めて会議を行ったり、各医療機関のレポートからデータ収集を行ったり。また、医療機関の監督も行っています。

 

主な保健対策は、流行病の発生及び拡大の阻止や母子健康の向上など。

特に母子保健分野での活動に重点が置かれていて、新生児・乳幼児のワクチン接種率の向上やHIVの母子感染予防、マラリア対策に注力しています。

 

エデア地区保健事務所では9人のスタッフがいます。所長は医師でもあり、仕事も人柄も尊敬できる人。また、他のスタッフもみんな仕事熱心で親しみやすく、頼れる同僚たちです。

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活動開始

活動は月曜日から金曜日までで、勤務時間は7:30〜15:30。

 

大まかに協力隊の活動を農村型と都市型に分けると、僕は後者に属していて、毎日事務所に通い、整った環境の中で、ある程度定まった目的に向けて活動を行っています。

 

配属後はまず、自分が誰で何のために来たのかを事務所のみんなに理解してもらえるように努めました。

同じ自己紹介を何度か行い、みんな熱心に話を聞いてくれた結果、誰かに会うたびに彼は独身だと紹介してくれます。笑

 

カメルーンの保健分野のミッションの一つは母子の死亡率の低下で、その達成に向けて、僕は母子健康の改善を目指したボランティア活動を行っていきます。

具体的には、母子健康手帳の普及を中心に、栄養改善や健康向上の啓発活動、フィールド調査などに取り組む予定です。

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母子手帳の普及は、最初に医療従事者向けの研修を実施し、その後各医療機関から住民に母子手帳を配布していく計画。

 

この研修の実施時期は、10月初めの大統領選挙を考慮し、11月以降に実施予定。

 

なのでそれまでの期間は、啓発活動や調査を中心に活動する予定で、先週から新生児・乳幼児のワクチン予防接種の日に近隣の病院訪問を開始しました。

お母さんたちと交流できる機会を活用して、現地の生活や習慣などを知り、課題を見つけていくことがまず活動の第一歩となります。

 

カメルーンの保健環境

カメルーンの保健指標の数値は低くて、平均寿命は58歳、母子の死亡率も高い。

 

しかし、対策が何も行われていないわけではありません。例えば、生後11か月までの乳児へのワクチン無料接種や、妊婦への蚊帳の無料配布、5歳児以下のマラリア無料治療などが行われています。

 

また、現場で働いている人たちも熱心に働いています。WHOやUNICEFなどの国際機関をはじめ、地元の団体などとも協力しながら保健状況の改善に努めています。

  

それでもやはり、政策に十分な成果は出ておらず、この状況を改善するのは簡単ではありません。

 

熱帯地帯特有の病気があり、社会経済の点から、医療サービスの脆弱さや医療に対する知識の不足、文化や貧困もその原因となっています。

 

特に、人々の暮らしをみると貧困が大きな要素となっているように感じます。

 

これから

遠く離れた国からほぼ何も知らないままカメルーンにやってきました。風土、文化、慣習など、日本と違うことばかり。医療の専門家でもありません。

 

それでも外部の人間だからこそ、地域の人々と共に暮らし、共に働くボランティアであるからこそできることがあると信じています。

Marginalité(周縁的)な存在として、アフリカの神話に数多く登場するトリックスター(いたずら者)の精神で、何事も恐れずチャレンジしていきたいです!

 

まずはこの気候風土の中でどのような病気があるのかを知り、人々の暮らしを深く知ることから。

 

この状況を一人ですべて変えることはできなくても、自分のやるべきことを信じて地道に活動し、少しでも多くのカメルーンの人たちの健康改善に貢献できるよう励んでいきます!

任地配属

8月1日に任地に配属されてから、半月が過ぎました。

今回は、任地の様子や生活について紹介します。

  

任地エデア市

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任地はリトラル州サナガ マリティム県にある県庁所在地のエデア市。

 

カメルーンの沿岸地方にあり、サナガ川沿いに位置しています。

首都ヤウンデと大都市ドゥアラの交通の要衝に位置する比較的大きな市。人口は約12万8千人。

 

気候は首都に比べると蒸し暑く、気温は30度弱くらい。

 

今は大雨季といって、日本の梅雨のような日々が続いていますが、12月頃からは大乾季に変わり、さらに暑くなります。

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エデアでの生活

家は3階建てのアパートの2階で、リビングと寝室、ユニットバス付きの部屋に住んでいます。配属先やマルシェ(市場)に近くて便利。

 

まだキッチンの設置工事を頼んでいないため、食事は全て外食。

 

朝食はバナナ、昼食は屋台でカメルーン定番のパスタオムレツとパン、夕食はレストランでご飯と肉や魚などを食べています。

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入居してからしばらくは断水が続いていたため、ミネラルウォーターを買ったり、近所で水汲みをしたりして生活。

 

最近は安定して水が出ますが、いつまた断水が起こるかわからないのでポリバケツに貯水。

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お湯はでません。そのため、お湯が必要なときはコイルヒーターという道具を使い、水を温めています。

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コイルヒーター

 

洗濯は手洗い。トイレのレバーを引いても水が流れないので、バケツに水を汲んで流します。

 

たまに停電も。

 

部屋を閉め切ったままにすると蒸し暑いので窓を開けますが、すると外からはバイクの音や大音量のリズミカルな音楽、なによりも砂が入ってきます。

 

この砂は毎日掃除しても切りがなく、毎日タイル張りの床をブラシで掃除。

 

不便な生活に思えるかもしれませんが、今のところはこの生活を楽しんでいます。ただ洗濯は面倒です。

 

 

エデアの人たち

エデアで外を歩くと、黒人以外の人に出会うことはほとんどないので、目立ちます。

 

頻繁に声をかけられますが、日本人とは認識されず、呼ばれ方で一番多いのはChinois(中国人)、次にBlanc(白人)、その他、ジャッキーチェン、ジェットリー、シャンハイマン。。笑

 

声をかけられたらなるべく返事をするようにして、だいたいは日本人だと言ったり、ときどきニーハオと挨拶したりしています。もちろん無視もします。笑

 

多くの場合はÇa va?(元気?)、Bonne journée!(良い1日を)と挨拶を交し合って別れます。

 

お金やジュースをちょうだいと言われることも多いです。なんでお金をあげなきゃいけない?と聞くと、お金がないから、初対面なのに友達だから、お前のことが好きとか言われます。笑

 

最初はみんながお金を欲しがるばかりでうんざりしましたが、これだけお金へ意識が向かうということは、やはりそれだけ気がかりや心配があったり、生活が大変で貧しかったりということだと思います。

  

それでもこうして挨拶を続けていると顔見知りができて、少しずつ仲良くなっていきます。断水を心配してくれたり、ここ数日お前を見てないぞと言ってくれたり、フルーツをタダでくれたりと、気にかけてくれる人たちがいます。

 

最近はお金をくれと言われても、ごめんないよと言います。そうすると相手も、そうかBonne journée! と言い、挨拶を交して別れます。

 

カメルーン流の挨拶は、握手をして手を離すときに指をパチンと鳴らします。

最近はこの挨拶がだんだんと上達中。いい感じです。

カメルーン

カメルーンに到着してからあっという間に1か月が過ぎようとしています。

 

到着後、最初の10日間くらいは首都ヤウンデにあるボランティア隊員の宿舎に滞在して、安全や健康、活動に関するオリエンテーションを受けたり、現地の受け入れ先の省庁を表敬訪問したりしました。

その後、語学訓練とホームステイが始まり、フランス語を学びながら、現地の文化や慣習について学習。

 

土曜日にホームステイが終わり、いよいよ1週間後には任地のエデア市に配属されます!

 

今回はカメルーンがどんな国なのかを紹介します。

  

基本情報

カメルーンギニア湾に面した中部アフリカに位置しています。西はナイジェリア、東はチャドや中央アフリカなど、六つの国々と国境を接しています。国土は日本の面積の約1.2倍。

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人口は約2300万人で、240を超える民族の人びとが一緒に暮らしています。平均寿命は58歳。

 

宗教はキリスト教徒が約40%、イスラム教徒が約30%、伝統宗教の信徒が約30%です。公用語はフランス語と英語。

 

経済は原油、鉱物、木材、農作物など一次産業が中心で、主要貿易品目は原油、木材、カカオ、綿花。

 

地政学上、内陸国向けの物流の玄関口として機能し、中部アフリカ経済通貨共同体(CEMAC)の主導的役割を担っています。

  

カメルーンの歴史は複雑です。以下簡単にまとめると、

1884年 7月 ドイツ保護領

1922年 7月 ベルサイユ条約による英・仏の委任統治

1960年 1月 仏領カメルーン独立

1961年 2月 英領の南部が西カメルーンとして独立(北部はナイジェリアに合流)

1961年10月 旧仏領と西カメルーンが合併。カメルーン連邦共和国が成立

1972年 5月 連邦制廃止。カメルーン連合共和国に国名変更

1982年12月 ポール・ビヤ大統領就任

1984年 2月 カメルーン共和国に国名変更

 

政治は、ポール・ビヤ大統領が1982年の就任以来36年在位しています。

そして、今年2018年は7年に一度の大統領選挙の年。大統領の85歳という年齢への不安と、英語圏地域の分離独立派の活動の高まりから、大統領選挙の実施が不透明でしたが、先日、今年の10月の大統領選挙の実施とポール・ビヤ大統領の立候補が正式に発表されました。

 

カメルーンはこの民族、文化、宗教、気候や地理などの多様性から「アフリカのミニチュア」と呼ばれています。

 

しかし、多様性がある反面、格差も拡大。

 

保健の分野で言えば、カメルーンの5歳未満児の死亡率は1000人あたり80人。この死亡率は世界の国と地域の19位で、非常に高い数値です。日本の場合は1000人あたり3人(UNICEF,2016)。

 

また、妊産婦の死亡率は出生児10万人あたり596人。日本の場合は10万人あたり5人(UNICEF,2015)。

 

さらに、カメルーンには約56万人のHIV感染者がいます。

 

僕は母子保健の分野で活動するため、こうした状況が少しでも良くなるように力を尽くします! 

 

人びとの暮らし

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カメルーンの第一印象は、、子供が多い!

 

空港から首都の中心地までの道のりで、森林と赤茶色の土、人々のカラフルな洋服、頭に物をのせている人たち、今まで見たことのない大きさと色のトカゲなど何もかもが新鮮でしたが、特に子供がいたるところにいるのが印象的でした。

 

人柄に関しては、最初は親しげに話しかけてくる人たちばかりだとイメージしていましたが、接してみると控えめだったり、謙虚だったり、おとなしい人たちもたくさんいます。連絡を取り合うのは好きで、よく電話番号を交換しようと言われます。

 

カメルーン人の朝の始まりは早く、屋台などは朝の6時くらいから営業。

公務員の勤務時間は7:30〜15:30です。

 

バーがたくさんあり、カメルーン人は昼夜を問わずビールを飲んでいます。

 

食べ物は本当に美味しい!炭水化物は米のほか、パン、プランテン、キャッサバなどさまざまで、熱帯地帯の新鮮な野菜やフルーツが豊富にあります。

ホームステイ先の家にはマンゴーやアボカド、プランテン(料理用バナナ)の木が植えられていました。

 

また、コーヒーも美味しく、濃くて苦味のある味を楽しめます。

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カメルーンで人気のスポーツといえばサッカー!子供から大人、男性も女性もサッカーが好き。

 

僕もサッカーが好きなので、ホームステイ期間中はホームステイ先の家族と一緒にW杯を観戦。

植民地支配の歴史からフランスが好きではないため、フランスの優勝には誰もががっかりしていました。。

 

近所のグラウンドに行き、カメルーン人と一緒にサッカーをしました。やっぱり体の強さや身体能力では、日本人との違いを感じましたが、技術では負けません。笑

 

赤茶色の土に石がたくさん混じったでこぼこのグラウンドで、転んだらすぐ皮膚が擦りむけてしまうけど、みんな楽しくサッカーをやっています。

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カメルーンは大家族が多い。また、家に出入りする人も多い。

一緒に暮らしている親戚であっても、ママと呼んだり兄弟・姉妹と呼び合ったりするので一体誰が本当の家族なのか全然分かりません。笑

 

始まったばかりカメルーン生活。これからもどんどんカメルーンの人たちの暮らしを発見していきたいです!

職種紹介

コミュニティ開発とは?

僕はコミュニティ開発という職種でカメルーンに派遣されています。

 

コミュニティ開発とは、地域住民が望む生活向上や地域活性化への寄与を目的とし、地域住民とともに、人的資源・地域資源を最大限活用し、地域の開発課題解決のために活動する職種です。

その活動分野は、農業普及、保健医療、水・衛生、地場産業振興、村落開発事業など多岐にわたります。

 

JICAボランティアにはさまざまな職種の人たちに向けた要請があり、その中には技術職や専門職として応募に条件や資格が必要な場合があります。しかし、このコミュニティ開発は資格等の条件はなく誰でも応募できます。

 

専門職や技術職としての資格を持たない僕にとって、この要請は大きなチャンスでした。

経験のない農業普及や地域住民の収入向上などの活動分野は難しいと思い、今まで携わってきた保健医療や衛生分野での活動を志望。

 

結果、カメルーンで保健医療分野での活動に携わるチャンスを得ました。

 

要請内容

JICAボランティアは開発途上国からの要請に基づいて派遣されます。

 

僕は保健省家族保健局の課題に取り組むため、リトラル州サナガ マリティム県エデア市にあるエデア郡保健事務所に配属されます。

 

家族保健局は、母親・新生児・小児の健康維持を最優先課題として、母子健康の向上のための計画策定、家族の健康増進と疾病予防の啓発などを実施する部局。

 

そのため、僕は母子の健康改善を目的として、母子健康手帳の普及を中心に、母子の栄養指導、新生児・乳幼児の予防接種に関する啓発活動などに取り組む予定です。 

  

しかし、こうした要請に基づいて派遣されても、実際に任地に着いてみると、設備や機材が揃っていなかったり、活動内容が異なっていたり、活動することがなかったりなど、要請内容と違うこともしばしば。

また、要請どおりの環境が整っていたとしても文化も慣習も全く異なる環境の中で現地の人々とコミュニケーションを取り、計画に沿って仕事を進めるのも大変です。

 

活動がどうなるかは任地に行ってからのお楽しみ。

 

大変なことはあるかもしれませんが、現地の人々と共に生活をし、一緒に働くことで、現地の人々に学び、その環境に適した支援を実践していく。ここに協力隊でしか味わえない大変さも面白さもあると思います。

  

強い隊員になるために

任国に派遣される前に職種に応じて研修があり、3月初旬の5日間、コミュニティ開発研修に参加しました。

 

内容は異文化理解、開発論、ボランティア論、ワークショップの手法など多岐に及びました。その目的は強い隊員になるため。

 

任地では一人で仕事をはじめて、そこに現地の理解者を得なければならなりません。

 

言説では、貧困、保健衛生、ジェンダー、教育など様々な問題が指摘されている場合でも、現場では社会的に重要な役割として機能している制度があります。

非識字者であっても生活はできるし、学校教育以外の場所で知識や知恵を身につけることはできる。

大切なことは、読み書きできない人々の暮らしや、学校教育以外の教える・育てる機能を学ぶこと。 

 

強い隊員とは、理論や一般常識に捉われずに現場から考えることができる人間で、僕はそうした隊員になりたいです。

 

異文化理解のために重要な三つの文化人類学的視点についても学びました。それは、エミックな視点、ホーリスティックな視点、相対主義的な視点です。

 

エミックな視点とは、内部の人々が見ている視点、言い換えれば住民の視点。

ホーリスティックな視点とは、人々の生活をその領域の中だけで捉えないで、社会と文化、技術と自然など他の領域との関係性から全体的に捉える視点。

相対主義的な視点とは相手を他者、つまり自分とは異なる人として捉え、自分の認識を捉え直す視点。

 

自分の価値判断を捨て、相手の立場から物事を考えるということは本当に難しいことで、僕に出来るかどうかは分かりません。それでも、この貴重な2年間を他者を生きるために費やしたいと思います!

 

カメルーンに到着してから10日が過ぎました。来週からはホームステイが始まります。

これからはカメルーンの現地の様子などを報告していきます。

はじめまして

はじめに

はじめまして。青年海外協力隊員として、カメルーンに派遣される予定の野地祐輔です。現地で2年間、ボランティア活動に従事します。

 

約3か月前に30歳になり、30代のスタートを遠いアフリカの地で始めようとしています。長い間、国際協力の仕事に携わってみたいと考えていて、その念願が叶いました。

 

今まで働いていた民間企業を退職して参加します。

 

活動に対する不安よりも、カメルーンはどのような国なのか、どのような人たちが暮らしているのか、自分にどんな活動ができるか、現地の人たちとどのようにコミュニケーションを取ろうか、期待や好奇心でいっぱいです。

 

もちろん、困難やトラブルも多々あると思いますが、そうした状況も楽しみたいと思っています。

 

今後、このブログを通して現地の様子や活動について紹介していきたいと思っているので、どうぞよろしくお願いします。

 

青年海外協力隊とは?

青年海外協力隊とは日本のODA(政府開発援助)事業の一環として、外務省所管のJICA(独立行政法人国際協力機構)が実施する海外派遣ボランティア制度です。

青年海外協力隊のほか、日系社会青年ボランティア、シニア海外ボランティア、日系社会シニア・ボランティア、短期ボランティアがあり、これらを合わせてJICAボランティアと呼びます。

 

その主な目的は三つあって、

-開発途上国の経済・社会の発展、復興への寄与

-異文化社会における相互理解の深化と共生

-ボランティア経験の社会還元

が挙げられます。

 

 青年海外協力隊は1965年の事業発足から50年以上が経ち、これまでに4万人を超える人々が参加しています。

 

協力隊を志望するまで

志望動機は自分の言葉で説明しなければいけない大事な部分ですが、なかなか上手く説明するのがむずかしい。。

 

具体的なきっかけはないですが、高校生の頃に国際社会のさまざまな問題、戦争や紛争、飢餓や貧困などがなぜ起こるのかに興味を持ちました。

そして、そうした問題について学ぶために大学の社会学部を専攻して、国際社会やジャーナリズムについて学ぼうと思いました。

 

しかし、大学に入学してからは当初の情熱はどこへやら、映画を観たり、小説を読んだり、バイトしたり、ぶらぶらして真面目に勉強せず、いつの間にか4年が過ぎました。笑

 

結局、大学卒業後は国際協力と関わりのない民間企業に就職。

会社での仕事はやりがいを持って楽しく取り組んでいました。しかし、数年間働いて経験を積んでいく中で、新しいことに挑戦したいという気持ちが芽生えました。

 

そうした時期に、なんとなく知っていた青年海外協力隊を思い出し、よく調べてみました。

調べていくうちに自分にも途上国の人たちのためにできることがあるかも知れないと思い、それならば挑戦してみたいという気持ちになって、協力隊へ応募しました。

 

終わりに

まずはこんな感じで自己紹介を中心に、最初のブログを書きました。

 

ブログを始めた理由は、まずは自分自身のために、海外での貴重な経験を記録し、自身の考えを整理し、自分がどのように考え、行動し、何を感じていたかを振り返るためです。

次に、周りの人々に元気でも落ち込んでいてもとりあえず生きていると伝えるためです。

最後に、国際協力や協力隊に興味を持っている人、異なる国の人々、文化や慣習に興味を持っている人々に向けて、その理解の一助となればという想いからです。

 

カメルーンというのはアフリカ大陸にある国の一つで、僕も派遣が決まるまではどこにあるのかさえ知らない国でした。このブログを読んでくれているほとんどの人たちにとっては全く関わりのない国かもしれません。

  

なので、このブログを通して、一緒に異なる国や人々を知り、新しい文化を学ぶことの楽しさを共有できたらいいなと思います。カメルーンの魅力を一人でも多くの人たちに知ってもらえるように、現地での活動の成果をしっかり報告できるように頑張ります!6月27日にいよいよ出発します!