Ici et ailleurs カメルーン滞在記🇨🇲

2018年6月から2年間、青年海外協力隊のコミュニティ開発隊員として、母子保健分野でのボランティア活動に従事します。

職種紹介

コミュニティ開発とは?

僕はコミュニティ開発という職種でカメルーンに派遣されています。

 

コミュニティ開発とは、地域住民が望む生活向上や地域活性化への寄与を目的とし、地域住民とともに、人的資源・地域資源を最大限活用し、地域の開発課題解決のために活動する職種です。

その活動分野は、農業普及、保健医療、水・衛生、地場産業振興、村落開発事業など多岐にわたります。

 

JICAボランティアにはさまざまな職種の人たちに向けた要請があり、その中には技術職や専門職として応募に条件や資格が必要な場合があります。しかし、このコミュニティ開発は資格等の条件はなく誰でも応募できます。

 

専門職や技術職としての資格を持たない僕にとって、この要請は大きなチャンスでした。

経験のない農業普及や地域住民の収入向上などの活動分野は難しいと思い、今まで携わってきた保健医療や衛生分野での活動を志望。

 

結果、カメルーンで保健医療分野での活動に携わるチャンスを得ました。

 

要請内容

JICAボランティアは開発途上国からの要請に基づいて派遣されます。

 

僕は保健省家族保健局の課題に取り組むため、リトラル州サナガ マリティム県エデア市にあるエデア郡保健事務所に配属されます。

 

家族保健局は、母親・新生児・小児の健康維持を最優先課題として、母子健康の向上のための計画策定、家族の健康増進と疾病予防の啓発などを実施する部局。

 

そのため、僕は母子の健康改善を目的として、母子健康手帳の普及を中心に、母子の栄養指導、新生児・乳幼児の予防接種に関する啓発活動などに取り組む予定です。 

  

しかし、こうした要請に基づいて派遣されても、実際に任地に着いてみると、設備や機材が揃っていなかったり、活動内容が異なっていたり、活動することがなかったりなど、要請内容と違うこともしばしば。

また、要請どおりの環境が整っていたとしても文化も慣習も全く異なる環境の中で現地の人々とコミュニケーションを取り、計画に沿って仕事を進めるのも大変です。

 

活動がどうなるかは任地に行ってからのお楽しみ。

 

大変なことはあるかもしれませんが、現地の人々と共に生活をし、一緒に働くことで、現地の人々に学び、その環境に適した支援を実践していく。ここに協力隊でしか味わえない大変さも面白さもあると思います。

  

強い隊員になるために

任国に派遣される前に職種に応じて研修があり、3月初旬の5日間、コミュニティ開発研修に参加しました。

 

内容は異文化理解、開発論、ボランティア論、ワークショップの手法など多岐に及びました。その目的は強い隊員になるため。

 

任地では一人で仕事をはじめて、そこに現地の理解者を得なければならなりません。

 

言説では、貧困、保健衛生、ジェンダー、教育など様々な問題が指摘されている場合でも、現場では社会的に重要な役割として機能している制度があります。

非識字者であっても生活はできるし、学校教育以外の場所で知識や知恵を身につけることはできる。

大切なことは、読み書きできない人々の暮らしや、学校教育以外の教える・育てる機能を学ぶこと。 

 

強い隊員とは、理論や一般常識に捉われずに現場から考えることができる人間で、僕はそうした隊員になりたいです。

 

異文化理解のために重要な三つの文化人類学的視点についても学びました。それは、エミックな視点、ホーリスティックな視点、相対主義的な視点です。

 

エミックな視点とは、内部の人々が見ている視点、言い換えれば住民の視点。

ホーリスティックな視点とは、人々の生活をその領域の中だけで捉えないで、社会と文化、技術と自然など他の領域との関係性から全体的に捉える視点。

相対主義的な視点とは相手を他者、つまり自分とは異なる人として捉え、自分の認識を捉え直す視点。

 

自分の価値判断を捨て、相手の立場から物事を考えるということは本当に難しいことで、僕に出来るかどうかは分かりません。それでも、この貴重な2年間を他者を生きるために費やしたいと思います!

 

カメルーンに到着してから10日が過ぎました。来週からはホームステイが始まります。

これからはカメルーンの現地の様子などを報告していきます。